こんらんぐ

2016年ごろに思い付きで書いた何かです (炭酸ソーダ)

あんまり文章を書くときにキャラ語尾を使いたくないなあという謎の感情が働いたため誰のセリフかとても分かりにくくなったので色を付けました。

人工言語の日常系が見たいので誰か続き書いて(文章書けない人なので他力本願)

第1話

「部活、どうしよっかなー」
 私は今年から高校生だ。昨日の入学式を終えて、今日は最初の授業だった。
 今年から学区制が廃止され、選択できる高校が増えた。でもその反面、中学の友達と離れる可能性も上がったのだ。
 私もその影響を受けたひとり。中学までの友達どころか、知り合いもいない高校に来てしまった。高校受験があまりうまくいかなかったせいもあるけど。
 友達が出来るか不安な私は、とりあえず部活に入ることにした。入ることにしたのはいいけど、どこに入ろうかは全然考えていない。今まで部活に入ったことはないのだ。
「とりあえず、文化部がいいな」
 そんなことを考えながら、クラブの一覧を見ていると、見なれない文字が目に入った。
「言語創作研究部……?漫研じゃなくて?」
 言語を創作することなんでできるのだろうか。活動内容が想像できない。
「よく分かんないし、候補からは外そう。」


「いてて……」
 放課後、廊下を歩いていると人にぶつかったらしい。
「わわ、ごめんね、大丈夫?」
 そう言ってきたのは、ちょっとふわふわした感じの女の人だ。どうやら上級生らしい。
「だ、大丈夫です。」
「そっかー、よかった。あっその上履きの色、もしかして、1年生?」
「え?はい。1年ですけど」
「やっぱり! ねえねえ、人工言語って知らない?」
 この学校では言語が流行っているのだろうか。
「じんこーげんご? いえ、知らないです」
 すると、後ろから別の女の人が出てきて、私のぶつかった先輩に話しかける。眼鏡をかけた、真面目そうな人だ。
「こらこら、そんなの知ってるわけないじゃないの」
「だって、こうでもしないと誰も入ってくれないと思って」
「うん……。まあそうだけど」
 ぶつかった先輩は、私の方を目線を戻し、話しかけてきた。
「ごめんね、突然よく分からないこと聞いて」
「いえ、別にいいですよ。ところで……人工言語って何なんですか?」
「うん? もしかして興味持ってくれた? 人工言語っていうのはね、人が創った言語のことだよ」
「そうね。架空の世界で使うための架空の言語とか、世界共通語を目指して作られた言語とか、いろいろあるの」
「人が……言語なんて作れるんですか?」
「作れるよー! アルカとかエスペラントとか、実際に人が作った言語がたくさんあるよ。」
ちょっと嬉しそうに話す先輩。
「ねえねえ、もしよかったら言研入らない? 言語創作研究部」
例の候補から外した部活だ。
「えっと……まあ、気が向いたら行きます。」
真面目そうな先輩が、もうひとりの手をひっぱりながら言った。
「突然ごめんね、本当に気が向いたらでいいからね。ほら行くよ、未結(みゆ)
「まってよ(はるか)ー」
さわがしい人たちだった。
「あれ?これは…」
ハンカチが落ちている。
「どうしよう、届けた方がいいのかな」


 結局、言語創作研究部の部屋の前まで来てしまった。確かさっきの先輩は「言研(げんけん)」と略していた。
 部屋のドアに「言語創作研究部 新入部員募集中!」と書かれた紙が貼ってある。部屋の電灯は点いているようだ。
「これを届けに来ただけなんだから」
 少し緊張しながらドアを開ける。
「すいませーん」
「あ、さっきの1年生だ! 来てくれたんだ!」
「いえ、これ届けにきただけです」
「あ、ありがとうー! ぶつかった時に落としたんだね。気づかなかったー」
「で……ではこれで失礼しま……」
「まあまあ、部屋入ってってよー。お菓子とお茶もあるからね」
「お、お菓子…。では、お言葉に甘えて」
「わーい」
「じんこーげんご?でしたっけ。ほんとうにあるんですか?そんなの」
「あるよー。私はふだん『アルカ』って人工言語をやってるよ」
「私はロジバンを主にやってるの」
「アルカ…ロジバン…?」
「人工言語って言いますけど、言語って、全部ひとが作ったものじゃないんですか?」
「そうそう、その質問」
「?」
「よく言わねるんだよね。自然言語もひとが作ったことばじゃないかって」
「確かに自然言語もひとが作ったんだけれどね、日本語は誰がいつ作ったの?て言われても、はっきりとは分からないでしょ?」
「それと違って、人工言語は『このひとがこのときに作った』っていうのがはっきり分かるんだよ。当然作った目的とかもね」
「ひとりだけじゃなくて、集団で作ってもいいのよ」
「アルカ語とかロジバン語の場合は…どうなんですか?」
「アルカは、1991年から、セレン=アルバザードを中心に作られた言語だよ」
「へー、けっこう古くからあるんですねー」
「ロジバンは1987年からね。LLGっていうグループで作られているの。」
「え!? そんなに前から?」
「あと、アルカ語、ロジバン語じゃなくて、普段はアルカ、ロジバンって言い方するよ。」
「あ、語はつけないんですね。すいません」
「別に、そんなに気にしなくていいけどね」
「ここ…言語創作研究部でしたっけ。何する部活なんですか?」
「うーん、人工言語について駄弁る…部活?」
「『駄弁る』じゃだめでしょ。人工言語について『研究する』ね」
「実際駄弁ってるだけじゃーん」
「ま…まあそうだけど」
「部員は二人だけなんですか?」
「そう。私たちだけだよ」
「部員がいなくなって休部になってたところに、去年私たちが入ったの」
「なるほどー。人工言語とか、知ってる人ほとんど居ないですもんね」
「そうなのー。誰も知らないから入ってくれないから寂しくて」
「にしてもあんな強引に勧誘するのはダメでしょ」
「だってー」
「私、言研入ります」
「ほんと?ありがとー」
「べつに私たちこと気にしなくていいんだよ。自分の入りたい部活に入った方が…」
「いえ、最初はなんだこの部活って思って、入る気は全然なかったですけど、先輩と話してると楽しいですし、言語にも…ちょっと興味出てきました」
「そうか。なら、改めてよろしくね。私は2年の上咲遥(うえさきはるか)
「よろしくねー。私も2年で、佐々木未結(ささきみゆ)だよ」
「1年の浅倉香奈(あさくらかな)といいます。こちらこそ、よろしくお願いします」
「うん。じゃあ、この入部届け書いてー」
「はいっ」

設定

埼玉県の高校 言語創作研究部

1年 浅倉 香奈 (あさくら かな)
活発。元気。
人工言語を知らなかったが、ふとしたきっかけとなりゆきで入部することになってしまう
好奇心と情報収集力が高く、いろんな言語に興味を示し、先輩よりも先に新しい言語を見つけてくる
「せんぱーい。それ何なんですかー?」
「せんぱいせんぱい!面白い言語見つけまてきましたー!」
アルカはmayu位相

2年 佐々木 未結 (ささき みゆ)
アルカ、凪霧
文系。ふわふわ。小説をよく読む。人工世界や歴史にも興味がある。
「アルカは、現実での歴史も長いんだよ」
アルカはmilia位相

2年 上咲 遥 (うえさき はるか)
ロジバン、時々トキポナ
理系。眼鏡。落ち着いてる。
「ロジバンはね、述語論理を基盤にして作られた言語なの」
「ぽなぽな」

1年 藤沢 エリ (ふじさわ えり)
主人公より少し後に入部する。
中学生のころから人工言語を作ってる
暴走しがち。プログラムもできる。
言研内でシェアワールドで言語制作することを持ち掛ける。